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【託児所の開業・経営】手続きや開業資金などの基礎知識まとめ

2022.01.26

共働きが当たり前になったこの時代で、保育園の利用率は増加しており、保育園に入園したくてもできない「待機児童」も問題となっています。

保育園不足が深刻化する中、多様な保護者ニーズに応えるべく「託児所」の需要も急増しています。

こちらのコラムでは、託児所を開業したいと考えている方に向けて、託児所開業に必要な資格や資金、手続きの流れについて解説します。

託児所の経営を考えている方は、ぜひ参考にお役立てください。

託児所とは

託児所とは、一言でいうと「保護者による保育が困難な乳幼児を預かり、その保育にあたる社会的施設」と辞書では定義されています。

これを聞くと、「保育園とどのような違いがあるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。「託児所」は、明確にどのような位置付けとされているのかについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

託児所は認可/認可外保育園?

乳幼児を預かり、保育することを目的とする「保育施設」には、大きく分けて「認可保育園」「無認可保育園」の2つに分けられます。

 

  • 認可保育園: 厚生労働省管轄のもと国が定めた設置基準を満たし、都道府県知事に認可されている保育園のこと。児童福祉法において「保育所」という名称で定められている。
    (幼稚園、保育所、認定こども園など)
  • 無認可保育園(認可外保育園): 国が定めた基準は満たしていないが、各都道府県で定められている基準に基づいて、知事からの認可を受けている保育園。認可保育園ほど基準が厳しくないため、保護者のニーズに合わせて幅広い形態で運営されている。
    (企業主導型保育、ベビーホテル、公設民営保育所など)

 

託児所」は明確な定義はされていませんが、一般的には、国の定めた基準を満たしていない「無認可保育園」のことを指しています。

託児所の種類

託児所は「無認可保育園」であるため、設置基準がそれほど厳しくはなく、保護者のニーズによってさまざまな種類があります。

 

  • 事業所内保育施設: 事業主が従事者のために設置している施設。企業の従業員が勤務中に子どもを預ける「企業型保育所」や、病院で働く看護師や医師の子どもを預ける「院内保育所」など。
  • ベビーホテル: 以下いずれかを常時運営している施設。
    ① 夜8時以降の保育
    ②    宿泊を伴う保育
    ③ 利用児童のうち一時預かりの児童が半数以上
  • 一時預かり: 1日や時間単位で一時的に子どもを預けられるサービス。デパートなどの一時預かり所や、訪問型のベビーシッターなどが含まれる。

※一部参照:厚生労働省HPより

https://mai-meldia.com/cate8/2358

託児所の開業に資格は必要?

託児所を開業する際にまず確認しておきたいのが、「保育士」やその他の資格の取得が必要なのかどうか、という点です。

結論から言うと、託児所の経営者は「保育士」を始めとした、保育関係の資格は必要ありません。一方で、託児所を運営する際には、一定数以上の「保育士」の資格保有者が必要となります。

託児所の開業資金はどれくらい?

認可外保育園である託児所では、場所や規模、従業員数などについて指導監督基準を守ってさえいれば、経営者自身が自由に決めることができます。

そのため、「開業資金はいくらか」という明確な金額については、どのように託児所を開業したいかによって大きく異なります

以下に、物件を取得し、託児所を開業する場合に必要な「費用項目」を例として記載しています。

  • 物件取得費(テナント賃料、あるいは購入にかかる頭金やローンなど)
  • 内装工事費
  • 家具・家電費
  • 日用品費(おもちゃ、絵本、文房具など)
  • 広告費(園児・従業員募集のための宣伝広告など)
  • 医薬品費(哺乳瓶、絆創膏など)
  • 人件費(開業準備にかかる人件費)
  • 事務費(開業に必要な手続きにかかる費用)

https://mai-meldia.com/cate8/2335

 

託児所の開業で得られる収益は?

託児所を開業した場合、どれほどの収益が見込めるのでしょうか。

託児所の場合、経営者自身が保育料を決めることができるため、どれくらいの料金設定で、どれくらいの園児を預かりたいのか、営業時間はどうするのか、などによって最終的に得られる収益も異なります

「事前にどれくらいの収益を得られるのかシミュレーションしておきたい」といった場合には、「売上」と「支出」を予想し、実際にどれくらいの利益が残るのかを調べてみましょう

託児所で大きな支出となるのは、「テナント賃料/ローン返済」と「人件費」となります。園児にとって安全で快適な環境を維持しつつ、どれほどの広さ、人員を確保するのかは収益に大きくかかわってくるため、慎重に判断するようにしましょう。

【売上項目の例】

  • 保育料
  • 入園料

【支出項目の例】

  • テナント賃料/ローン返済
  • 人件費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 食費(給食、おやつ等)
  • 交通費(訪問型の場合)
  • 日用消耗品
  • 損害保険料
  • 各種税金

託児所の開業に必要な条件は?

認可外保育園である託児所は、国が定める「児童福祉法」を満たす必要はありませんが、厚生労働省が定める「認可外保育施設指導監督基準」を満たしている必要があります

基準は細かく定められているため、指導監督基準を隅々まで確認する必要がありますが、以下にて保育従事者数や施設の広さに関する基準の一部を、例として抜粋しています。

 

【保育従事者数について】

  • 1日に保育する乳幼児の数が6人以上の施設の場合
  • 各施設において児童数が多い 11 時間(施設の開所時間が 11 時間を下回る場合にあっては、当該時間)、即ち、主たる開所時間については、児童福祉施設設備運営基準第33 条第2項に規定する数以上の保育従事者が配置されるものとし、11 時間を超える時間帯については、延長保育に準じ常時複数の保育従事者が、配置されることとするものであること。
  • 児童福祉施設設備運営基準第33 条第2項に規定する数、
    乳児      :乳児概ね3人につき保育に従事する者1人
    1,2歳児    :幼児概ね6人につき保育に従事する者1人
    3歳児       :幼児概ね20人につき保育に従事する者1人
    4歳以上児:幼児概ね30人につき保育に従事する者1人

【保育室等の構造設備及び面積について】

  • 1日に保育する乳幼児の数が6人以上の施設の場合
  • 乳幼児の保育を行う部屋(以下「保育室」という )のほか 調理室及び便所があること 。
  • 保育室の面積は、概ね乳幼児1人当たり1.65㎡以上であること。
  • 乳児(概ね満一歳未満の児童をいう。)の保育を行う場所は、幼児の保育を行う場所と区画されており、かつ安全性が確保されていること。

【保育内容について】

  • 児童一人一人の心身の発育や発達の状況を把握し、保育内容を工夫すること。
  • 乳幼児の安全で清潔な環境や健康的な生活リズム(遊び、運動、睡眠等)に十分配慮がなされた保育の計画を定めること。
  • 児童の生活リズムに沿ったカリキュラムを設定するだけでなく、実行することが必要であること。

※「認可外保育施設指導監督基準」より抜粋

託児所の開業に必要な手続き

実際に開業するとなった場合の手続きは、どのようなプロセスのもと進めていけば良いでしょうか。

現在、児童福祉法により、認可外保育施設を設置した場合は、事業開始日から1か月以内に市への届出が義務づけられています。

届出の内容は自治体によって基準が異なるので、まずは各自治体へどのような書類が必要となるのかを確認する必要があります。

こちらでは埼玉県川口市を例に、必要な届出書類を以下にてまとめていますので、参考にご覧ください。

【届出に必要な書類】

  • 認可外保育施設設置届
  • 認可外保育施設設置届別紙(その他認可外保育施設)
  • 認可外保育施設設置届別紙(居宅訪問型)
  • 有資格者、研修修了者の資格証、修了証等
  • 保険会社との契約書類
  • 施設の平面図(施設型の場合のみ)

※「埼玉県川口市『認可外保育施設の設置等について』」より参照

https://mai-meldia.com/cate8/2255

託児所の開業で保険加入は必要?

託児所を経営する上で、万が一事故が起きてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。

「万が一事故が起きてしまった場合は、速やかに市に報告しなければならない」と児童福祉法によって定められています。

事故が起こらないようにすることが大前提となりますが、もしもの怪我やトラブルに関するリスク対策として、保険に加入しておくという方法があります。

託児所を経営する上で、検討しておきたい保険の種類を以下にまとめていますので、金銭的なリスクを最小限に抑えるために、ぜひ参考にしてみてください。

  • 施設賠償責任保険
  • 受託物賠償責任保険
  • 傷害保険
  • 経営者の法人向け生命保険
  • 個人情報漏洩保険
  • 生産物賠償責任保険
  • 保育所総合保険

埼玉県川口市エリアで保育園や託児所を開業するなら

いかがでしたか。こちらのコラムでは、託児所の開業にまつわる基礎知識について解説しました。設置基準を確認した上で、まずはどのような託児所を開業したいのか、経営計画を立てるところから始めてみましょう。

MAI埼玉支店(旧 田村工務店)は、埼玉県川口市エリアを中心に建設工事・土木工事業や公共事業等を営んでおります。創業50年以上の中で1,000件を超える施工実績と信頼を積み重ね、川口市からは「優秀建設工事施工業者」を11年連続で表彰していただいております。

弊社では保育園や幼稚園などの建築実績も豊富にございます。お客様のご希望に合わせて最適な提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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