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ビルの建設費用の目安は?構造別・地域別の費用や建設の流れを解説

2022.02.11

土地活用の方法として人気があるのは「アパート経営」や「マンション経営」ですが、土地によっては、ビルを建設して商業施設・オフィスビルとして利用した方が需要があるという場合もあるでしょう。

一方で、ビル建設に関して、「どれくらいの費用がかかるのか、建設期間や建設の流れがまったく分からない」という方も多いのではないかと思います。

そこでこちらのコラムでは、ビルの構造タイプや建設費用の目安、建設にかかる期間・流れについて、ビル建設の基礎知識をまとめて解説します。ビルの建設を検討中の方は、ぜひ参考にお役立て下さい。

 

費用を決めるビルの構造3つのタイプ

建設費用が決まる要素の一つとして、どのような構造のビルを建てるかということがポイントとなります。

まずは、ビルの3つの構造タイプ「SRC造」「RC造」「S造」について、特徴を見ていきましょう。

①SRC造

“steel reinforced concrete”の頭文字から「SRC造」と呼ばれており、「鉄骨鉄筋コンクリート造」とも言われています。

SRC造は、鉄骨の柱の周りに鉄筋を組み、コンクリートを打ち込んで建設する構造となっています。

RC造、S造と比較すると、より凝った造りとなっているため、コストが高くなる傾向にあります。一方で、耐久力が高く、耐震性・遮音性・耐火性においてもっとも優れた構造であると言えます。

大型マンションやビルなどの大規模な建物の場合、このSRC造の工法が多く採用されています。

②RC造

“reinforced concrete”の頭文字をとって「RC造」と呼ばれている構造で、「鉄筋コンクリート造」とも言います。

RC造は、主に柱や梁、床・壁が鉄筋とコンクリートで構成されていて、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めた構造を指します。

木造やS造と比較するとコストは高くなる一方で、耐震性・遮音性・耐火性といった機能面でも非常に優れています。SRC造のように、鉄骨は使われていないため、SRC造よりは耐震性に劣ります。

③S造

「S造」は、”steel”の頭文字をとったもので、「鉄骨造」とも呼ばれます。

S造は、柱や梁など骨組に鉄骨を使用した構造で、木造の柱がそのまま鉄になったものと想像すると分かりやすいでしょう。

コストは、RC造やSRC造よりも安く抑えることができますが、骨組みに鉄骨を使用しただけの構造なため、耐震性・遮音性・耐火性は劣ってしまいます。

S造には、鋼材の厚みが6mm以上の「重量鉄骨構造」と、6mm未満の「軽量鉄骨造」の2種類があります。ビルやマンションなどの大型の建物には「重量鉄骨構造」が使われ、一般住宅などには「軽量鉄骨造」が採用されています。

ビル建設費用の目安

 

ビルの建設費用は、マンションと同じく「坪単価×面積」で決まります。

より正確な建設費用を出すには、建物の構造や階数、どの立地に建設するか、どの業者に依頼するかなど、あらゆる要素が関係してきます。

こちらでは、『政府統計ポータルサイトe-Stat』に記載されている建築着工統計調査(2021)』をもとに、「構造別」と「地域別」に分けて建設費用の目安をご紹介します。

【”建築着工統計調査”とは?】

建築着工統計調査は、建築基準法第15条第1項の規定により届出が義務づけられている建築物を対象とする統計調査。この調査では、建築物の着工状況について建築主別の建築物の数、床面積の合計、工事費予定額などの結果を、全国、都道府県、市区町村の地域で提供している。

 

①構造別の目安

ビルの3つの構造タイプ「SRC造」「RC造」「S造」ごとの費用目安(坪単価)はこちらです。

  • SRC造 :114.2万円
  • RC造   :103.8万円
  • S造   :72.3万円

※『建築着工統計調査(2021)用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額』にある「産業用建築物」項目の「床面積の合計」「工事費予定額」より算出。

※計算式:(工事費予定額÷床面積の合計)×3.306=坪単価

 

②地域別の目安

続いて、構造タイプ「SRC造」「RC造」「S造」ごとの都道府県別の費用目安(坪単価)はこちらです。(住居等を含む)

【北海道】

  • SRC造 :128.6万円
  • RC造   : 77.3万円
  • S造   : 66.3万円

【東京都】

  • SRC造 :110.2万円
  • RC造   :123.6万円
  • S造   :116.4万円

【埼玉県】

  • SRC造 :105.8万円
  • RC造   :83.6万円
  • S造   :72.3万円

【大阪府】

  • SRC造 :128.0万円
  • RC造   : 84.5万円
  • S造   : 80.8万円

※『建築着工統計調査(2021)都道府県別、構造別(大分類)/建築物の数、床面積、工事費予定額』にある「床面積の合計」「工事費予定額」より算出。

※計算式:(工事費予定額÷床面積の合計)×3.306=坪単価

 

ビル建設の前に知っておきたいポイント

続いては、「ビル建設」に関して、あらかじめ抑えておきたいポイントを3つ解説します。

 

・基本は「スケルトン渡し」にする

テナントが入るような商業ビルを建設する場合、内装がなにも施されていない状態で建物構造体のみを残す「スケルトン渡し」にすることが一般的です。

たとえば、マンション建設を行う場合では、設備や内装まですべて整える必要がありますが、賃貸ビルの場合は必要ありません。一方で、エントランスを含めた外装は、すべてデザインする必要があります。

 

・ビルの種類や対象事業者によって費用が変わる

「ビル建設」と一言で言っても、オフィスビル、飲食店などが入るテナントの雑居ビル、高層ビルなど種類は豊富にあります。また、どういったビルを建てるかによって、オフィスとして利用したい事業者、店舗として利用したい事業者など、貸し出す対象事業者も変わってくるでしょう。

まずはビルの種類や対象者のニーズを明確にした上で、どのようなビルを建てるべきかを検討し、より正確な建築費用目安を調べるようにしましょう。

 

・マンション建設と同様に税制上の優遇あり

ビル建設を考える上で、マンションやアパート建設の場合と同様に、税制上の優遇があるという点を覚えておきましょう。

節税対策となる主な項目は、「所得税」「相続税」の2つです。節税目的だけでビル建設を検討するのはおすすめできませんが、会社員として給与所得を得ている場合は「損益通算」で所得税を減らすことができたり、建物に対して課される相続税を減らすことができる、というメリットがあります。

https://mai-meldia.com/cate8/2270

 

ビル建設にかかる期間はどれくらい?

ビル建設にかかる期間は、どれくらいを目安に考えておけば良いのでしょうか。

建物の構造や階数、坪数によっても大きく異なりますが、一般的には「(階数×1ヶ月)+3ヶ月=工期」と言われています。

これはビルの建物を建てるのにかかる期間であり、建設計画を考える準備段階から含めると、さらに長い期間かかると予想できますね。

ビル建設までの流れ・工程は?

続いて、ビル建設に至るまでの流れ・工程を以下にまとめましたので、参考にご覧ください。

【ビル建設までの流れ・工程】

  1. 事前調査(建ぺい率、容積率などの法規制を確認し、どのような建物が建てられるかを調査)
  2. 建設計画(設計やデザインなどを含めた建設に関わる計画を立てる)
  3. 見積書を取る(建設にかかる予算を見積もる)
  4. 工程表の作成(建物が完成するまでのスケジュールを作成)
  5. 必要書類の届出(建築確認の許認可を取るために、必要書類を行政に提出)
  6. 契約の締結(ビル建設依頼者と施工業者の間で契約を締結)
  7. 建設工事の着工

ビルの建設を成功させるためには?

最後に、ビル建設を成功させるために大切なポイントを3つお伝えします。

・ビル建設に向いている土地か見極める

ビル建設が終わってから、「テナントとして借りたいという事業者が見つからない」ということにならないように、ビル建設に適した土地なのかを見極めることが重要です。

一般的には、住宅街ではなく、駅の近くの商業地やオフィス街にある土地は、ビル建設に向いていると言われています。

・どのような需要があるかを調査する

ビル建設に向いている土地と判断できた場合は、もう一つ、どのような事業者にニーズがあるのかということを考える必要があります。

貸し出す対象の事業者によって、ビルの規模や外装デザインをどうするかも大きく変わってくるでしょう。また、その土地では、法規制に基づくとどのような建物が建てられるのか、という点も合わせて調査しておくことも大切です。

・複数の建設事業者に見積もりしてもらう

依頼する事業者は、最初から一つに絞らずに、まずは複数の事業者に見積もりを取ってもらうようにしましょう。

「もう少しコストを抑えられたかも…」「費用をかけたのに、仕上がりに満足できない」といった後悔に繋がることのないように、さまざまな事業者に相談してみることが大切です。

https://mai-meldia.com/cate8/2379

埼玉県川口市エリアでビルの建設をお考えなら

こちらのコラムでは、ビル建設の基礎知識についてご紹介しました。建設費用の目安や建設までの流れなど、基本的なことが理解できた後は、土地に関する事前調査をおこない建設計画を建てた上で、プロの事業者に相談してみましょう。

MAI埼玉支店(旧 田村工務店)は、埼玉県川口市エリアを中心に建設工事・土木工事業や公共事業等を営んでおります。創業50年以上の中で1,000件を超える施工実績と信頼を積み重ね、川口市からは「優秀建設工事施工業者」を11年連続で表彰していただいております。

弊社では、商業施設をはじめとした大型建築物の施工を数多く承っております。お客様のご希望に合わせて最適な提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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