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耐震補強工事とは?費用相場や補助金、工事内容などをまとめて解説

2022.03.31

「耐震補強」とは、建物の耐震性を高めるために、建物の主要な構造を補強することです。”地震大国”とも言われる日本においては、地震が起きても倒れにくい、耐震性の高い建物づくりが非常に重要なのです。

そこでこちらのコラムでは、耐震補強工事を検討中の方に向けて、耐震補強工事の具体的な内容や、工事の流れ、費用相場などのコスト面に関する基礎知識を解説します。

「耐震補強工事を考えているけれど、その前に具体的な工事内容や、耐震基準に関する知識を知っておきたい」という方は、参考にご一読いただければと思います。

耐震補強工事の必要性

「耐震補強工事」は、その文字通り、地震の揺れが来ても建物が倒壊しないために施される工事です。つまり、耐震補強工事は、地震の影響で建物が倒れないようにすること、そうすることで人々の安全性を保つことが主な目的となります。

耐震補強については、国の法律である「建築基準法」にて、「耐震基準」が明確に定められています。

耐震基準は、1981年に建築基準法が大きく改正されており、1981年以前の基準を「旧耐震基準」、1981年以降の新基準を「新耐震基準」と呼びます。

「新耐震基準」では「震度6強、7程度の地震でも倒壊しない水準」として、耐震基準が大幅に引き上げられました。一方で、1981年以前の「旧耐震基準」で建てられた建物でも、耐震診断を行い十分に補強を施すことで、地震に備えられるとされています。

耐震補強工事の内容

こちらでは、具体的にどのような工事を施すことで、耐震補強を行うのかを解説します。耐震補強を行う方法としては、主に3つあります。

 

・基礎の補修・補強

まずは、建物の基礎部分に対する補修・補強です。壁や屋根などをいくら補強しても、それらを支える基礎部分が丈夫でないと、意味がありません。

具体的には、ひび割れが生じている部分には、それ以上ひび割れが悪化しないように補修をしたり、鉄筋が入っていない無筋の基礎に、鉄筋コンクリート造の基礎を足す「増し打ち」を行うなどします。また、木材が腐っている場合は耐震性が低下してしまうため、傷んだ木材を交換したりなどもします。

・壁を補強する・増やす

基礎の補強を行うと同時に、壁を補強・増やすことで耐震性を高めていきます。

既存の壁に新しい鉄筋コンクリートの壁を増設したり、耐力壁で壁を補強したりする方法があります。特に開口部が多い建物や、壁の少ない部屋は壁を増やしたり補強することで、耐震性アップに繋がります。

その他、鉄骨ブレースを増設することで、壁・柱関係の強度を高めるといった方法もあります。

・構造体を軽くする

耐震性を高めるという意味では、補強するだけではなく、建物の構造体を軽くすることで建物を支えなければならない重量を軽くし、倒壊するリスクを下げることもできます。

例えば、建物の構造体の一部を撤去あるいは軽量素材へ変更したり、重量のある瓦屋根から軽量の屋根にしたりなどの方法があります。

耐震補強工事の流れ

続いては、耐震補強工事を実施するまでの流れを見ていきましょう。

・耐震診断

耐震の技術をもった専門家が、耐震診断をします。建物の構造種別や構造形式、増改築の履歴、設計図書等の有無などの基本情報を確認します。そして、建物の外観や内観を目視、または測定器などを使用して劣化状況を確認します。

・耐震性能の評価

耐震診断の結果に基づいて、耐震性能の評価が下されます。診断では、建物の耐震性能を示す指標「構造耐震指標値(ls値)」が用いられ、数値が高いほど耐震性が弱いことを指します。耐震性が低いと診断された場合は、耐震補強工事の実施へと進んでいきます。

・工事の計画

耐震性能の評価結果に基づいて、それぞれの建物に合った補強案を作成し、耐震補強工事の計画を立てます。

・見積もり策定

工事の計画が立った時点で、見積もりも決定します。工事費用は、建物や工事内容によって大きく異なります。国や自治体の補助金制度を利用できる場合もあるため、補助金制度について事前に調べておくと良いでしょう。

・工事の実施

実際に耐震補強の工事を実施していきます。工期は建物や工事内容によって変わりますが、戸建て住宅の場合は約1週間〜数週間ほど、マンションなどの大型建築物の場合は8ヶ月〜1年ほどで終わる場合が一般的です。

耐震診断はどんなことをする?

耐震工事へ向けた第一ステップである「耐震診断」では、どのような内容をどのような流れで行なっていくのでしょうか。

「耐震診断」の内容と流れは、以下の通りです。

【①予備調査】

建築物の概要(延床面積・階高・竣工年など)や設計図書の有無の確認、建物の構造種別(RC造・S造・SRC造等)、増改築の履歴の有無などの建物の情報を集めて、予備調査を行います。


【②現地調査】

依頼した業者の担当者が、実際に建物を調査していきます。

増改築や大規模修繕工事等の履歴調査や 図面照合、建物の外観・内観の劣化状況を目視で確認していきます。

【③診断】

その後、実測・試験(コンクリート試験・超音波探傷試験など)を行い、耐震レベルを診断するのに必要な「形状指標・経年指標・材料強度・部材断面」などの諸数値を出していきます。

現地調査や診断で得た情報を元に、最終的な耐震性能の結果が出ます。

耐震診断は基本的には、旧耐震基準で設計されている建物に対して、現行の新耐震基準での耐震性があるかどうかを確認します。一方で、新耐震基準で建てられた建物においても、経年劣化などによって耐震性が懸念される場合は、耐震診断を実施します。

 

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耐震補強工事の費用相場や補助金は?

耐震補強の費用は、大きく「耐震診断」と「耐震工事」の2つに分かれます。

費用相場としては、建物の構造や大きさなど、さまざまな要素で決まってくるため、一概には言えません。おおよその目安として、耐震診断および耐震工事にかかる金額は、以下の通りとなります。

 

【耐震診断】

  • 鉄筋コンクリート造:約1,000〜2,500円/㎡
  • 鉄骨造:約1,000〜3,000円/㎡
  • 木造:約20万〜50万円/戸

【耐震工事】

  • 戸建て:50~数百万円ほど
  • マンション:500~1,000万円ほど

上記の通り、耐震工事は高額になりがちですが、助成金制度や税制の優遇制度、融資制度などがあるため、それらを活用することでコストを大幅に抑えられる可能性もあります。

 

【各自治体の助成金制度】

全国の自治体では、耐震診断や耐震補強工事に対する助成制度を設けている地域が多くあります。住まいの地域のHPにて、どのような助成金制度があるのかを確認してみましょう。助成額や対象となる建物については、各自治体によって異なります。

※埼玉県川口市には、主に大型建築物を対象とする「建築物の耐震診断・改修補助金制度」と、住宅を対象とする「耐震改修補助金制度」があります。

【税制の優遇制度】

税制の優遇は、主に「所得税の減税控除」と「固定資産税の減税」があります。

所得税については、国税庁の「住宅耐震改修特別控除」という控除があり、「個人が自己の居住用とする家屋(昭和56年5月31日以前に建築されたものに限る)について住宅耐震改修をした場合には、一定額の所得税控除がある」というものです。

固定資産税については、各自治体が設けている減税制度です。埼玉県川口市の場合は、「昭和57年1月1日以前に所在していた住宅について、一定の要件を満たす耐震改修工事を行った場合に、一定期間の固定資産税額の2分の1を減額する」とのことです。(埼玉県川口市「住宅耐震改修に伴う固定資産税の減額」)

【融資制度】

「住宅金融支援機構」が行う「リフォーム融資(耐震改修工事)」を利用することで、一定額の融資を受けることができます。「住宅に耐震改修工事を行う人で、借入申込時の年齢が満79歳未満の場合」など、いくつかの利用条件があるため、詳しく知りたい方はHPで確認しておきましょう。

 

耐震補強工事の業者選びの注意点

耐震補強は、建物を地震から守り、人々が安心・安全に暮らすためには必要不可欠な工事です。

「耐震補強工事を依頼する際に、どの業者へ依頼すべきか迷ってしまう」という方も多いかもしれません。業者選びの注意点として、耐震補強工事の経験や事例が豊富な業者を選ぶことが非常に大切なポイントです。

また、費用は業者によって異なるため、複数の会社と比較検討したい場合は、各社に見積もりをとってもらった上で最終的な判断をするのも良いでしょう。

 

埼玉県川口市エリアで耐震補強工事をお考えなら

こちらのコラムでは、耐震補強工事前に知っておきたい基礎知識についてご紹介しました。耐震補強工事の内容や流れなどの知識を知っておき、まずは信頼できる業者へ耐震診断を依頼してみましょう。

MAI埼玉支店(旧 田村工務店)は、埼玉県川口市エリアを中心に建設工事・土木工事業や公共事業等を営んでおります。創業50年以上の中で1,000件を超える施工実績と信頼を積み重ね、川口市からは「優秀建設工事施工業者」を11年連続で表彰していただいております。

弊社では、さまざまな建物の耐震補強工事を多数承っております。お客様のご希望に合わせて最適な提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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