マンション大規模修繕の前に|よくあるトラブルと対応策【まとめ】
2021.08.30
10〜15年に一度はやってくる「マンションの大規模修繕」。
大規模修繕は管理組合、居住者、施工業者など、さまざまな人たちと関わりながら進めていく必要があります。
さらに、計画を始めてから工事を終えるまでには2〜3年という長い期間と膨大な費用もかかるため、その過程でトラブルが発生することも多々あります。
そこで、マンション建設を検討中の方や大規模修繕を控えている方に向けて「事前に知っておきたいよくあるトラブルと対策法」を修繕前・修繕中・修繕後に分けてご紹介します。
これらの情報を前もって知っておくだけで、トラブルを最小限に減らすことができ、余裕を持って大規模修繕に臨めるでしょう。
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大規模修繕の内容と目的
よくあるトラブルについてお話する前に、まずは「大規模修繕とは何をするのか」について少し解説をします。内容や流れを知っておくことで、「どんなことがトラブルに繋がるのか」をより理解しやすくなります。
大規模修繕とは、「建物の経年劣化により生じた傷みを修繕する」ことです。修繕する目的は、建物自体をより長持ちさせるため、人々が安全に暮らせるようにするため、建物自体の資産価値を維持するためなどがあります。
大規模修繕の工事内容は、建物の塗装が剥がれている部分を直したり、床・屋根の防水補修をしたり、ガス・電灯などの各種設備の取替を行ったりなど、建物全体のあらゆる不具合を修繕します。
大規模修繕の流れ
大規模修繕の工事自体は半年〜2年ほどで終わるのですが、実は工事を実施するまでには非常に長いプロセスが必要になります。準備開始から工事実施までには、1〜2年程度の期間がかかります。
大規模修繕を実施するまでの基本的な流れはこちらです。
① 建物の調査・診断
まずは専門業者に依頼をして、建物の劣化状況と修繕が必要な箇所を調査・診断してもらいます。
② 修繕計画の作成
劣化状況が把握できたらどの箇所を修繕するのか、どの業者に工事を依頼するのかなどを決めて、修繕計画の作成を行います。
③ 資金計画の確認
修繕計画とともに、資金計画の最終調整も行います。マンションでは、基本的に大規模修繕に向けて事前に修繕積立金を積み立てているため、そこから修繕費用を賄います。もし積立金だけでは費用がカバーできないという場合には、修繕箇所を再検討したり、積立金に加えて追加で「一時金」を集めるなどの対策をします。
④ 総会開催
計画が整った段階で、マンションの総会を開催します。総会では大規模修繕の計画を住民に説明し、住民からも承認を得ることで大規模修繕の実施を最終決定します。
⑤ 施工業者と契約締結
住民からの承認が得られたら、正式に施工業者と工事の契約締結をします。
⑥ 大規模修繕の実施
契約締結後は、大規模修繕の工事が実施されます。マンションの規模や工事内容によって変わりますが、半年〜2年ほどかけて行われます。
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大規模修繕前に起こるトラブルと対応策
大規模修繕前の準備段階において、よくあるトラブル3つを紹介します。
① 積立金の不足
最もよくあるのが、修繕費用が予想を上回り積立金が不足してしまうという問題です。積立金だけでは費用が賄えない場合は、以下のような対応策があります。
・住民から「一時金」として追加徴収する
・修繕箇所を減らして費用を抑える
・大規模修繕の時期を延期する
・融資を受ける
積立金とは別に一時金を住民から集める場合は、住民から苦情を受けてしまう可能性もあるので注意が必要です。
② 修繕委員会で意見がまとまらない
マンションの大規模修繕を行う場合、マンションの区分所有者の代表が集まって「修繕委員会」を結成します。
委員会のメンバーが修繕計画、資金の確認などを進めていくのですが、なかなか上手く計画が進まないという問題も起こります。一人ひとりの意見が異なったり計画の方向性が定まらないと、いつまで経っても話し合いが終わらないという状態が続いてしまいます。
そういった状況にならないために、以下の点に気をつけるのがポイントです。
・修繕委員会の人数をある程度制限する(5〜10人がベスト)
・修繕委員会のメンバーの年齢層に偏りをなくす
・マンション管理会社の理事会と上手く連携をとる
「どうしても話が進まなくて困っている」という場合は、コンサルタント会社に頼るのも一つの手です。
③ コンサルタント会社とのトラブル
コンサルタント会社に頼る場合、それが新たなトラブルに繋がるリスクもゼロではありません。「悪徳なコンサルタント会社が施工業者と連携し、工事費用を意図的に高く見積もっていた」などの事例が過去にあります。
コンサルタント会社に任せる場合は、複数の会社から見積もりを取るなどをして、会社選びを慎重に行うように注意しましょう。
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大規模修繕中に起こるトラブルと対応策
大規模修繕中によくあるトラブルは、以下の3つが挙げられます。
① 居住者からの苦情
工事中はどうしても騒音や振動、臭いが発生してしまいます。洗濯物が干せないなど生活に制限もあるため、居住者のストレスになることが多いです。
こういった場合に居住者から苦情を受けることもあるため、事前に「工事中はどのような不便が生じるのか」を詳しく説明しておくことが大切です。
② 近隣住民からの苦情
騒音や臭いが原因で、居住者だけではなく近隣住民からも苦情を受けてしまう場合があります。
通常は工事開始前に施工業者が近隣へ挨拶に回るため、過度に心配する必要はありませんが、事前の周知を徹底することが大切です。
③ 予期せぬ追加工事
予定していなかった追加工事が必要になるというケースがあります。事前の調査・診断では問題なくても、実際に工事を行ってみると新たに傷みや不具合が見つかることもあります。
そうなると追加の工事費用がかかってしまうため、予算と相談しつつ、本当に必要な工事なのかを施工業者と話し合うことで対処しましょう。
大規模修繕後に起こるトラブルと対応策
「工事が終われば安心」という訳ではなく、工事後も問題が起こる例はいくつかあります。
修繕後の主なトラブルはこの3つです。
① 仕上がりが予想と異なる
仕上がりが思っていたのと違ったり、修繕箇所に欠陥が見つかったりなどのトラブルがあります。そういった場合、まずは施工業者に相談した上で、再度工事をしてもらえるのか交渉しましょう。施工業者の保証制度を利用できる場合もあります。
② 追加費用がかかった
追加工事が必要になった場合は、工事費用もその分高くなります。事前に了承した上で工事をしたのであれば問題ないですが、悪徳業者により何の報告もなく勝手に追加工事・費用を請求されるといったケースも全くない訳ではありません。
念の為、予算は追加費用が多少かかることを見越した上で設定しておき、悪徳業者には十分注意するようにしましょう。
③ 工期が延びる
予定していたよりも工期が延びてしまうこともあります。天候に左右されたり、工事に思ったより時間がかかってしまったりなどがその原因です。
工期が延びたとしても追加費用がかからないかどうかは、事前に施工業者へ確認しておきましょう。また工期の延長が決まった場合は、居住者や近隣住民へもきちんと報告をするようにしましょう。
トラブルが起こったときの相談先
もしもトラブルが発生してしまい、それがなかなか解決できない場合には『公益財団法人マンション管理センター』へ相談しましょう。『公益財団法人マンション管理センター』は国から指定を受けた公益財団法人で、マンション管理についての指導、相談、情報提供を行っています。
「修繕計画が進まない」「資金計画が上手くいかない」など困った時は、こういったサポート機関に頼るという選択肢もあります。
マンション大規模修繕を依頼するなら
マンションの大規模修繕ではトラブルをできる限り避けるために、信頼できる施工業者に依頼することが大切なポイントの一つです。
MAI埼玉支店(旧 田村工務店)は、建設工事・土木工事業や公共事業を中心に事業を行っております。50年以上という長い歴史の中で信頼と実績を積み重ね、川口市からは「優秀建設工事施工業者」を11年連続で表彰していただいております。
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